新アニオタ王子


この通りにはお探しのメイド喫茶ありませんよ。

なんて、突っ込んでやりたい。

笑いをこらてるあたしに

「あの…」と声がかかって、自分のお客様がきた事に気付けなかったと

慌てて見上げたそこにはそのオタク。




固まるあたし。


「へっ?」



…あたし今客と待ち合わせしてんのに。

客に他の男と居るのを見られてしまったら、大変っ‼



「どうされました?」

一応、眉をひそめつつも

親切に声をかけてあげた。


すると、オタクはおずおずとした態度で、よそよそしく喋る。


「マユちゃん…ですよね?」


「えっ…?」


なんであたしの事知ってんの⁈


恋人クラブのホームページの写真見てファンになったとか?

勘弁してよ…

今、待ち合わせ中なのに…


「マユちゃんでいいんですよね…?

僕が今日の君の彼氏なんだけど…?」


………

オタクの言葉を理解できなくて思考停止。




「マユちゃん?」

呼びかけられてようやく意識復活したあたしは思わず聞いていた。


「あなたがあたしの彼氏っ⁈






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