新アニオタ王子


「な…っ

なんであたしがこんなトコに来なきゃいけないのよーっ!」

心の中で

絶叫された言葉が

こだまする…。



気がつくと、既にメイドに案内されてBOX席についたオタクはニコニコしながら、あたしに手招きしている。


…マジありえない。


他の客の視線から逃げる様に足早にオタクの向かいに座る。


「なんで…ここなの?」

小さい声でオタクに聞くと

「ここは僕にとって神聖な場所です。

最高のおもてなしのつもりですが?」

微笑むオタク。


…ふざけんなよ。


******************



メイドが白のチョコペンでティラミスの上に手書きしたハートを見ながら…



唐突に口を開いたオタク。

「婚約者として…僕の両親に会って下さい」

「はっ?」

「もちろん婚約者のフリなんですけど…?」


何を突然言い出すかと思ったら…この摩訶不思議オタク野郎は…


あたしを混乱に陥れたいみたいだ…。




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