新アニオタ王子


スタンドランプの明かりで
白く立ち上って見える煙草の煙り。


香月さんのこの背中はいつ見てもカッコイイと…

あたしは思う。


煙草を揉み消した香月さんは

ワイシャツを羽織るとすぐに

「また店に戻る。

やり残した仕事があるから。」と、いつもの段々とした口調に戻るから

素直に受け入れるしかない。


だけど帰っていく香月さんを見送る事はしない。

あたしは彼の恋人でもないしただの、体だけの関係だから…。


扉の閉まる音が聞こえたら

鍵をかけに行く。


どんな時だって

誰かを想って淋しさなんて

感じたりしない。

一人だけの広い部屋で

あたしはいつも自分から自由を選んでる。



昔から

そうなんだ。

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