新アニオタ王子
あまりの気持ち悪さに身震いをしてもう一度ベッドに戻る。
今の夢を忘れてしまえるくらいの最高の夢を見直したい。
できるなら結婚相手は…
今1番売れてる俳優さんあたりがいいよね。
……
「あ〜っ!!
もぅっ!!」
目を閉じると浮かぶ岡本正寿。
ひねり潰してやりたいくらいの憤りさえ感じてしまうわ。
何をしてもあのオタクが頭の中に浮かんでくる。
キモいあいつがあたしにまとわりついて来る…
ある意味、こんなに一人の男の事で頭ん中一杯になったの生まれて初めて。
最悪な気分を晴らしたくて気分転換にお出かけ。
タクシーの窓から流れる景色。
ぼんやりできるこの時間が好き。
恋人クラブなや近い場所で降りたあたし
店の近くのブランド店に入る。
特別このブランドじゃなきゃ絶対ダメ。みたいなのは無いけど…
働いてる場所の近場っていう事で
常連さんになってしまった。
そこで見つけた水色のワンピース。
来週、招待されてる社長さんのバースデーパーティーに着て行くのにちょうどいい華やかさ。
お値段はちょっと高めだけど、これくらいじゃなきゃあたしに釣り合わない。
「マユ様いつもありがとうございます。」
「どういたしまして」
仲良くなった店員に手を振り
店を出る。