新アニオタ王子


自分で

自分の考えてる事が分からない。

なんのためにこんな事をしているのか…


あたしにメリットなんて一つも無いのに。


…こんな、誰にでも手を差し延べる優しい女なんかじゃない。


そんなあたしの性格なんか
…あたしがよく分かってるはずなのに。


自分でも理解できない予測不可能な行動をとっている。



キモメン

岡本正寿。

ただの

アニメオタクのキモイ奴。


こいつは他人を同情させる強い武器を持っている…。



******************



それから一週間。

あたしは

せっかくの休みも学生時代に来た以来、久しぶりに岡本のために、100円均一に布団用洗濯ばさみを買いに足を運んだ。


貴重な休みに何をやってんだか…。




こんこん。


チャイムのない玄関のドアをノックすると、寝不足なのか目の下にひどいクマをつくって、まるで豚のお化けみたいな顔をした岡本が顔を覗かせた。


「…その顔マジヤバイんだけど。」


「会って第一声がそれ?

徹夜で仕事してたんだ…。

全然寝てなくて」

あくびをする岡本に聞きたい事を聞いたあたしは、返事も返さずに、ずかずか部屋にあがる。


まずは部屋の片付けチェックと…思ったけど予想していたよりも部屋は片付いていた。

褒めたくはないけど、偉いじゃん…。



「コーヒーくらいしか無いけど…」

「いらない。自分で飲む物は自分で買って来た。」

コンビニの袋をポンっとテーブルに置く。

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