新アニオタ王子
考えてみれば
素で話せるのって親と岡本くらいしかいないあたし。
異性として見るのは難しいけれど
友達ならアリかも。…なんて
思っちゃったりなんかする。
あたしのまわりの男はみんな
体の関係ばかりだし
岡本みたいに体が全く関係ない男なんて初めてだ。
だから岡本には気を使わなくていいし楽なんだ。
今まで
自分の休みの日程を教えるくらいしかメールなんてした事なかったあたしが
初めて私用で岡本にメールを送ってみた。
:調子どう?
話しのきっかけなんて、思いつかなくて適当なメールだけど
すぐに返事がきた。
:調子は… まずまずだけど、 マユちゃんから そんなメールが 来るなんて思わなかった。
:調子が まずまずなんて どういう事?
:体重が 減るのが嬉しくて二日間、 何も 食べなかったら 逆に 体調が悪くなっちゃって。
:大丈夫?
:…大丈夫だけど
心配…してくれ てるの?
心配。そんなメールが届いて自分でも驚いた。
あたしが岡本を心配?
岡本みたいなデブオタクを?
:調子にのらないで
:だよねぇ。
:あたし もう寝るわ。
:分かったよ。
おやすみ。
最後のおやすみメールは既読スルー。
恋人でも、好きでもない奴におやすみメールなんて…
しない。
ベッドに潜り目を閉じるといつもの様に心地良い眠気があたしを誘う。