新アニオタ王子

そんな会話をしていると、遠慮がちにそっと試着室のカーテンが開いたその場所に

岡本正寿とは

思えないほどの

インテリ系イケメンが立っていた。


言葉を失ったあたしに

康史は満足そうな笑みを浮かべた。



「ど…どうかな?」

自信なさ気に聞く岡本の声が

左の耳から

右の耳へ

通り抜けてあたしは

ただ

奴の変貌ぶりに見惚れてしまっていた。




「やっぱり似合わないよね?」

自信なさげな弱々しい超えに我に返ったあたしは

岡本とは到底、思えないイケメンをまじまじと見つめた。



「えっ?あっ…似合ってんじゃない?」

その言葉に気分をよくしたらしく岡本はその服をそのままお買い上げした。


さっきまで一緒に歩いても

不釣り合いだった二人が

今度はお似合いのカップルみたいに

ショーウインドーのガラスに映る。


「マユちゃん僕、髪切りに行ってもいいかな?」

ショーウインドーの二人に見惚れていたあたしに、上機嫌の声が聞こえてくる。



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