新アニオタ王子



「今日の恋人は年齢32。
銀行員。趣味は釣り。以上。」


客から教えられてる簡単なプロフィールを香月さんが読み上げる。


「了解でーす。」



客はあらかじめ、彼女に知っておいて欲しい情報を予約時に伝えてくる。

それを女の子が会う前に覚えておく。

大抵、一般庶民は簡単なプロフィールばかり。覚えるのに時間を要さない内容ばかりだけと


これが、どこかの社長様ともなると、沢山の見栄と自慢を織り交ぜたカナリ長いプロフィールを送ってきたりするから

そういう場合には香月さんも事前にプロフィールをプリントアウトしてくれる。






「個室空いてるから」

「はーい」

個室とは、女の子の待機部屋のことだ。

2畳くらいの小さなテレビくらいしか置いてない殺風景な部屋。

充電しながら携帯いじってる分にはなんのもんだいもない待機部屋。


ぼんやりテレビや雑誌を見てるだけで意外と時間は過ぎるものなんだ。


部屋に設置されてる

受話器のコールが鳴るとい

いよいよスタンバイの合図。

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