爆音少女
始動
「あれ?」
…あぁ、そっか。相沢君ちだ。居候させてもらってるんだった。
自分の部屋の百倍くらい整理されてるから、居づらいな。申し訳ないし…
早めに、帰らなくちゃなぁ。
携帯の画面を見ると、6時だった。
「こっから学校、どんぐらい掛かるんだろーか。相沢君に聞かなきゃ」
あ、でもまだ寝てるかなー。
寝てるよなぁー。
そう思いつつ廊下にでてみる。
いびきとか、かくのかな。
たは、かくわけないよな。私じゃあるまいし。
小さくノックしてみる。
「…はい、誰」
「松尾。」
「あ、どうぞ」
机に向かってる。意外と早起き…?
「ごめん朝早くから」
「おはよう」
「あ、おはよ、ござます。…何してたの?」
「…研究?」
相沢くんの手元を見ると、ある日本の作家の本が何冊かと、その人についての本が何冊か置いてあった。
「…」
「あ、ごめん。何?」
「そうそう、あのさ、何時くらいに家出ればいい?」
「あー、まぁまぁ遠いもんな…松尾チャリないよね…バス?」
「そうだった…!」
「じゃあ、今日は俺もバスで行く。一緒に家出よう」
え…!相沢くんいいのかそれ!
カップルじゃんか!
「いいの?」
「うん」
「わ、わかった!髪の毛ちゃんとして制服もちゃんとする!」
「…そんな気合いいれる必要なくない?」
「相沢くんはそのままで充分!」