爆音少女
「遅いと思ったら…!」
直子さんに迎えにきてもらいました。アアキエタイ。
「まあ、やっぱり由美ちゃんの子なだけあるわね」
うげ、お母さんもそうだったのか。
「紗希ちゃん、大変ね。」
親同士の仲が悪くって、
お母さんは私をこの家に預けて実家に帰るし、お父さんは朝から酒だし
「本当に、ごめんなさい。」
「……ううん、私が呼んだの。家に来なって」
「ありがとうございます…」
情けない親だよね。
「…紗希ちゃん、ギター弾くの?」
「あ、いやあ、少し」
「息子も弾くのよー。良かった、仲良くなれそう」
息子さん、いるんだ…。
「自分の部屋で弾いてると思うからあとで行ってみてー。」
「あ、はい」
「紗希ちゃんは、その隣でいいかしら?私の部屋。」
「え、悪いですよ」
「いいの、私は旦那さんと一緒に寝るわ」
「え、ありがとうございます本当」
直子さんはにこりと微笑むと、夕飯、途中なの忘れてた、と言って台所へ駆けていった。
広いなあ。
部屋、いってみよう。