爆音少女


だってあの相沢くん。

いつも寝てる相沢くんだぜ?
無愛想で有名な相沢くんだぜ?
たまに口を開くと天然発言する相沢くん













「アース…!」


「…」


「アース好きなの?!」

「…好き」

「ゴシップは?!」

「…かなり好き」

「直角は?!」

「好き!」

「邦楽ロック?!」

「マイライフ!!」


はい仲良しさんになりました僕ら。
こんなに趣味があうなんて。

―――――――――――――――――――――


それより重要なことがあるだろう、松尾。

うわ…天から田代の声が…。


そうだった。優秀なギタリストを見つけたら即、交渉。




「ところでお願いがあります。文化祭でギター弾いてくれませんか」



沈黙。
防音の壁が「沈黙」という音をはねかえしてる。





「…あのさあ」


キレてる、
おまえ等程度のバンドに
この俺が入るかボケ的なアレですね。

慣れてるけど



「俺、文化祭当日に言おうとしてたんだけど」


「はい?」


「俺、弾けるけど?(キリッ)みたいにしたかった」




あ、流石この人結構馬鹿だね。



「いいの?」

「松尾の歌唱力知ってるから。ギタボだってことは知らなかったけど。」


「音痴で有名だもんね。」

「いや、違くて…」



それから相沢くんとバンドについて語った。

ギタボはわたし
ギターは相沢くん
ベースは加奈ちゃん
ドラムは満くん

ゴシップと直角をやることに。

あ、ゴシップっていうのはガールズバンドの名前。
直角は高音ボーカルで有名なバンド。

ゴシップのコーラスは加奈ちゃんがやって直角はハモリだけ相沢くんがやってくれることになった。


「やってみる?直角」


「うん」


相沢くんのアンプを借り、ギターに差し込んだ。


ピックを振り下ろす。
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