爆音少女


ということで、相沢くんと私はコンビニへ来た。涼しい。


「快適空間……で、どれにします」

「俺、ダッツしか食わないんだよね」


そう笑顔で答えて、私の手の平に乗せた。


「しんだらどう…です…か…ウワァア」


「じゃあ俺も個人的に何かを買ってくる」


マイペースだなぁ…
てかお金あんなら自分で買えよって話ですね!



「…松尾、もう買ったんなら外出てて」

「…はーい」


ていうかダッツ、絶対溶ける。早く!し!ろ!

それから1分もしないうちに相沢くんは出てきた。


「…はい」

「待ちましたよ〜」

「はい」

え、何かを訴えてる…?

「だから、はい」

あ、何かくれんの?え、あたしのために何か買ってくれたの?何買ってくれたんだろ。うまい棒かな?

ワクワクしながら袋の中をさっと見ると、そこには。



「ダッツ………!」


「いや、悪いし。取りあえずバンド入れてくれたお礼もあるし…一緒にあとで食おう」


涙が、出そうでした。
惚れかけ、ました。


「いや、恋はもう始まってたのかもしれない」


「何の話…」


「ふは、何でもない」


夕日に照らされてる相沢くんの髪が、ふわっと揺れていて。

何か、ときめいた。
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