サバイバル試験
誠は手に違和感を感じ、左手を見た。







なぜか、美津子が誠の手を握っていた。



美津子は涙ぐみながら、誠に向かって首を横に振った。












誠は、美津子が何を言いたいのかすぐに理解できた。














―誠は、初めてこの学校に来たときの事を思いだした。―




もう10年ぐらいこの学校に勤めている職員が教えてくれた言葉だった。














『いいか、ここの校長の命令は絶対だ。




反対なんて言葉、口にだしたら










打ち首だよ。












命が欲しいなら


校長の命令を聞くことだ』








誠は、我に返って、校長を鋭い目付きで見た。
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