サバイバル試験
校門のそばまで来ると、騒がしい声が聞こえてきた。














毎年恒例の下駄箱前の広場に貼り出されるテスト内容の発表のせいだ。






みんな思い思いに叫ぶのだ。
『まじっかよ、ここの範囲から』と嘆く人もいれば、
『やったあーここ勉強してた』
など、みんな自分を忘れて叫ぶのだ。


そんな先輩をいつも
廊下から見る後輩がいるのも
毎年恒例だ。








優菜は毎年、冷たい目で騒ぐ先輩たちを見てきたが、さすがに自分の年になると冷たい目では見れなかった。














だが…今年の騒ぐ様子が少しおかしかった。







泣き声や悲鳴まで聞こえてきた。
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