エレファント ロマンス
明奈が捕まえたタクシーで、自宅まで送ってもらった。


「バイバイ、由衣」


「ありがとね」


手を振ろうとした私に、明奈が
「由衣、あしたは学校、来るよね?」
と、念を押すように聞いた。


窓越しの問いかけに戸惑う。


「う、うん……。たぶん」


自信がないまま答えて手を振った。


明奈も嬉しそうに手を振っていた。


タクシーが見えなくなったとたん、ため息が出た。


「は―――……っ」


結局、何も解決してない。
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