エレファント ロマンス
広い個室。
ふたりはいつもこんな場所で食事をしていたんだろうか。
静か過ぎて沈黙が重い。
何を話していいかわからず、授業やクラスメイトのことを話題にした。
鳴沢先生は黙って私の顔を見ている。
真っ直ぐな視線に緊張した。
オードブルの前に、私のグラスにもシャンパンが注がれた。
普通のレストランと違って、オーダーしなければ水は出て来ないのだろうか。
喉はカラカラに渇いている。
けれど、アルコールは一滴も飲んだことがない。
「お酒、ぜんぜん飲んだことないの?」
「はい……」
「無理にはすすめないけど、度数の低いシャンパンだから、少しだけ飲んでみれば? 見なかったことにしてあげるよ」
先生が笑った。
少しだけ緊張がとけた。
喉の渇きに勝てず、おそるおそるシャンパングラスに手を伸ばした。
甘い。
驚くほど口当たりがいい。
グラスが空になるのと同時に、ギャルソンがなみなみと金色の液体を注いでいく。
「あ、あの……」
水を注文するタイミングを逸した。
ふたりはいつもこんな場所で食事をしていたんだろうか。
静か過ぎて沈黙が重い。
何を話していいかわからず、授業やクラスメイトのことを話題にした。
鳴沢先生は黙って私の顔を見ている。
真っ直ぐな視線に緊張した。
オードブルの前に、私のグラスにもシャンパンが注がれた。
普通のレストランと違って、オーダーしなければ水は出て来ないのだろうか。
喉はカラカラに渇いている。
けれど、アルコールは一滴も飲んだことがない。
「お酒、ぜんぜん飲んだことないの?」
「はい……」
「無理にはすすめないけど、度数の低いシャンパンだから、少しだけ飲んでみれば? 見なかったことにしてあげるよ」
先生が笑った。
少しだけ緊張がとけた。
喉の渇きに勝てず、おそるおそるシャンパングラスに手を伸ばした。
甘い。
驚くほど口当たりがいい。
グラスが空になるのと同時に、ギャルソンがなみなみと金色の液体を注いでいく。
「あ、あの……」
水を注文するタイミングを逸した。