エレファント ロマンス
鳴沢先生がソムリエを呼び、同じシャンパンを注文した。


その頃には顔が熱くなり、頭がぼーっとしていた。


それでも、座っている間は自分が酔っているという自覚はなかった。


「そろそろ戻ろうか」


そう言われて立ち上がったとき、ふらっと体の重心が揺れた。


歩くたびに全身がフワフワする。


気持ちがいい。


「着いたよ。大丈夫?」


先生に支えられながら、車を降りた。


まだ体がポカポカしている。


担任に肩を抱かれていた。


それなのに、不思議なほど緊張感がない。


とにかく、真っ直ぐ立っていられないから寄りかかっているという感じだ。


私は先生の胸に背中を預けるようにして、エレベーターが降りてくるのを待っていた。


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