恋桜。

理沙とあーだこーだ言い合っていると一人の女の子が近付いてきた。
「あ、あのっ!!」
「え、あたし？」
いきなり声をかけられ動揺ちゅう。だってあたし近付きづらいでしょ…。「はいっ!あの、ゆいさんですよね？」
ふわふわの髪の毛でおとなしそうな女の子。
「ぅん。そーだょ」
「あたし、佐藤愛奈です。めっちゃファンですっ!!」
あ、“ゆい”のファン。「ありがとぅ。愛奈ちゃん。唯ってよんで☆」
「あたし、愛奈って呼んでもらっていいですか？」
「もちろんっ」

愛奈とは気があってすぐに仲良くなった。

「理沙〜あたしの席どこ〜？」
「あたしの前〜」
「らっきー☆」
カバンを置こうと自分の席に向かう。カバンを横にかけ、席についた。

ドカッ！!！

あたりが一瞬シーンとなる。チラッと横をみると隼人だった。

「…隼人？」
恐る恐る声をかける。

「あ？」
冷たい目。

「大丈夫？」
チラッとあたしの顔をみて、
「わりぃ」
そうゆうと隼人は苦笑いした。

「なんかあった？」
「俺、あーゆー女嫌い。なんつーか、外見しかみてねぇやつ？うまくいえねぇけど…」

言いたいこと、わかるよ。あたしもそうだもん。あたしのこと“唯”として見てくれる人少ないもん。

「そぅだよね…。大変だ…。」

「唯のが大変だろ？すげーじゃん、ギャラリー…。」
廊下には“ゆい”のファンがたくさん集まっていた。

「ははは…。ってまた隣!?」
「まじ？」
「絶対運命だょっ!!」
なぁんて、またバカにするんでしょ？
「かもなー」
…え？なんでか胸がキューンとした。