恋桜。

気持ち。

「唯〜!隼人〜!」
大地が手を振りながらかけよってきた。
「え?大地と隼人って仲いいの?」
そんな話聞いたことない。大地とは三年の付き合いだけど。
「うん!仲いいよ」
「へ〜!って大地!!なにバラしてんの?ん?」
精一杯怖い顔をする。
「ごめんごめん。それより二人はなんで仲いいの?」
悪びれた様子もなく、話まで変えられた。朝あったことを簡単に話す。
「唯、乗り物ほんとだめだからなぁ。大丈夫か?」
「ぅん。大丈夫」
…あれ?ドキドキしない。大地とドキドキしないでしゃべれてる。なんで…?

「つーか唯すげーな!!機嫌わりぃ隼人と普通にしゃべってるし、女とこんなに楽しそうにしゃべってるの始めてみたわ。」うそ…。なんかすごくうれしい。。。なんで…?

「うっせーぞ、大地」
隼人が怖い顔で大地を睨む。けど心なしか頬が赤いような…。

ガラガラッ!!!

「席つけ〜」

先生が入ってきて黒板の前に立つ。ザワザワとしていた教室は少し静まる。

「えーっと、一組担任田村巧だ。これから一年間よろしくな!!」
見た目二十代前半。いかにも女子生徒から人気がありそうなルックスをしている。ちなみに担当教科は体育。みたまんま。長い話をちゃんと聞いてる生徒はほぼいなかった。

「唯!!」
ドキンっ!…ん?
「ぅん?」
隣の隼人に声をかけられた。

「今日、なんか用事ある?」
「別にないよ〜!?」
仕事は来週までバッチリOFFだし!!

「じゃ、みんなでマックいかね?」
「ぅんっ!あたし、理沙と愛奈つれてくね!」

「んじゃ、俺三組のやつつれてくわ!」
「ん、わかった♪マックにいてよ!」
「はいはい。」
少しあきれた顔の隼人。なんかしたっけ?

「じゃ、これでHR終わります。解散!」

ちょうどいいタイミングで終わった。
みんな帰って行く。

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