アイシテルって言えなくて~大人女子と高校生の恋
その日は・・・
芽理衣の誕生日だった。


学校が終わっていつもの場所で
俺は芽理衣を待っていた。
ホームステイ先の
芽理衣の祖父母の家で
一緒にお祝いをするんだった。



「おかえり~」
いつものように車から顔を出した。


「もう用意終わったかな~
今日は私がゲストだから
おばあちゃん張り切ってたわ。
ヘイちゃんを迎えに行って
まっすぐ来なさいって言ってたから~」

子供のようにウキウキしてた。


「旦那さんは?」
俺は自分が一緒にいる優越感で
芽理衣の愛情を確認したくて
意地の悪い質問をした。


「結婚して初めての誕生日なのに
夫じゃない人に
お祝いしてもらうんだ……ね…
ヘイちゃんがいてくれてよかった。
好きな人にお祝いしてもらえるなんて
すごくうれしいもん。」


言葉と反対に
一瞬悲しげな顔をしたのが
気になったが


「二人っきりになったら
ヘイちゃんが甘~いお祝いしてね。」


甘えたような口調に
不安は吹っ飛んだ・・・・


俺はまだまだガキだから……
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