アイシテルって言えなくて~大人女子と高校生の恋
その父親に見覚えがあった。


「え?甲斐先生?」


俺は目をこすってまた確認した。

そこにいるのは
甲斐先生だった。


女性がシートを広げて
「お弁当食べよう」と言うと

甲斐先生は女の子を抱きかかえて
シートに向かった。


俺は先生に気づかれないように
その裏側に隠れるようにして
自転車をとめた。




「ママのお弁当は最高~
幼稚園のお友達が
『音色ちゃんのお弁当美味しそう』
って言うんだよ。
隣の卓くんは音色の
お弁当から唐揚げ持って行ったの。」



「友達できたか?」



「うん!!こ~んなにできたよ」

小さい指を先生の顔の前に出した。



 え・・・・?

その女の子を見て思った。



 めちゃめちゃソックリじゃん?



真凛が芽理衣の夫にソックリなように
その女の子はめちゃめちゃ
甲斐先生のコピーのようだった。
< 458 / 668 >

この作品をシェア

pagetop