アイシテルって言えなくて~大人女子と高校生の恋
しばらく楽しげに弁当を食べていた
女の子だったが
袋から縄跳びを出して飛び跳ねた。


「音色 食べた後動いたら
腹痛くなるぞ。」

甲斐先生は声をかけた。



「よかったな、幼稚園楽しそうで。」



「うん。安心したわ。
音色は人懐っこい子だから
大丈夫だと思ってたけど……
先生から昔からいたみたいですって
笑われちゃった。」



「家出ていくのか?」




「あまりお世話にはなれないわ。」



「にいさんの嫁だし
かあさんだって
もう音羽に優しくなっただろう?
無理しない方がいいよ。
音色だって帰って来てから
寂しがるぞ。」



 死んだおにいさんの奥さんか……



「うん・・・・」



「俺は来年早々にでも
マンション買おうと思ってるんだ。
俺の部屋使えばいいさ。」




「え?そんな……
私たちのせいで……申し訳ないわ。」



「いや・・・自分のためさ。
俺だって自由にやりたいしさ~
いつまでもかあさんの監視付きなんて
カッコ悪いだろ・・・・」



「それは言えるわね」
女性は可愛く笑った。
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