アイシテルって言えなくて~大人女子と高校生の恋
散歩している老夫婦が
女の子を見て目を細めていた。


「お上手ね・・・・」



「うん こんなこともできるよ。」


女の子は縄跳びのまわし方をかえて
ピョンピョン飛んだ。


「あら~すごいわね。」
そう言って老夫婦は手を叩いた。



甲斐先生の方を見て
「あら!!パパにソックリね。」

そう言いながら去っていった。



「そうださっきも言われたよ。
見知らぬ人に言われるくらいって
どんだけ似てんだって~
でも似てる、かあさんも言ってたよ。」




「そう・・・・」



「思わず数えちゃったよ……」
先生の声が少し沈んだ。



「ば…バカ言わないでよ…
微妙なズレでしょ……
間違いなく累の子供だから…
あなたたち兄弟だから
やっぱりそういう遺伝子があるのよ。」



「医学的にもよくあることだよ。
でもさ…なんか…
リアルだよね……」



「そんな風に音色のこと
見ないであげて・・・・
累は音色を愛してたわ……
二人の宝物だって……」



「あ…ごめん…
俺 何言ってんだろ。」
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