アイシテルって言えなくて~大人女子と高校生の恋
「私も母親になったんだから
もっとしっかりしなってヘイに叱られた。
女でいるより
母でいてほしいって……
真凛がまっすぐ育つように
ヘイは主人より大人みたい…」
芽理衣がクスクス笑った。


人を巻き込んで・・・


 困った人・・・・



「恭平落ち込んでるかな?」


私は芽理衣より
恭平が心配だった。


「ううん
哀しいことに……
芽理衣とはあの時もう終わらせてきた
だって…
今はわすられない思い出だから
芽理衣には最高に幸せな
女でいていほしいだって…」



「でもご主人がしないなら
俺が二人を守るっていってたのよ。
それで就職に進路を変えるって…」



「ヘイはね夫の操縦法がうまいんだ
って笑ってたわ。
就職って?私は聞いてないんだけど…」



「そうなんだ・・・・
私はてっきり芽理衣さんのために
進路変更をしたんだって思ってた」



「なんかね・・・・早く大人に
なりたいって言ってた。
一端の大人になって・・・
それじゃないと何も始まらないって
スキな人でもいるのかしらね。」



芽理衣は人ごとのように言った。


 あんたのせいで
みんなが振りまわされたのに


幸せそうな顔の
芽理衣には罪のひとつもない



「お幸せにね」


私はそう言って握手を求めた。

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