アイシテルって言えなくて~大人女子と高校生の恋
「ダメ!!」

音色ちゃんが私を睨みつけた。


「おじちゃまはママと音色のものだって
パパがお空でママとおじちゃまが
結婚するの楽しみにしてるの。
おねえちゃんにお願いしたじゃない!!
結婚するのはママなの!!」



「こら!!何言ってんの。
音色!!やめなさい。
おねえちゃんに謝って・・・・」



「だって・・・・
ママ…音色が寝た後いつも
泣いてるじゃない!?
パパとの約束を守れないからでしょ?」



「音色!!いい加減に・・・・」

そう言うと
音羽さんの声が途絶えて

甲斐が
「音羽?」と声をかけた。



「ごめん…甲斐…
音色連れて帰って・・・・
失礼なこと・・・ごめんなさい・・・」

苦しそうに息をした。


「ママ…寝るね・・・」
音羽さんは布団をかぶった。



今にも泣きだしそうな音色ちゃんを
甲斐が抱き上げた。


「今日はおじちゃんと一緒に
寝るか~?お化けの話するか~」

そう言うと
私にごめんと手で合図した。


「チケットで恭平くんと
一緒にタクシーで帰って」

甲斐はそう言って手を振った。
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