アイシテルって言えなくて~大人女子と高校生の恋
「仕事しばらくできないぞ。
いいじゃんか…
実家にいれば……なんでそんなに
頑なに自立しようとする?」


「望まれた嫁じゃないもん……」


「んなこと…今じゃ誰も思っちゃないよ。
カワイイ音色もいるし
音羽のこと本当にいい嫁だって
言ってたし……
だからここにいたらいいよ。」


「家を決めようとしてたとこなの」


「そんな体じゃダメだよ。
ストレスもあるんだぞ。
貧血もわるいし……
恭平くんも言っただろう
健康じゃなくっちゃダメだって
音色に哀しい思いさせるなよ…」



「甲斐にはわかんないよ」


「何がよ・・・・
おまえってほんと昔から全然変わっちゃない
なんでそんなに頑固なんだ?」


「あんただってそうよ。
鈍感で優しい顔して残酷で・・・
私のことなんか
どうでもいいんだからさ~
ほっといてよ。」


テンポが合ってるというのか
空気が似てるというのか
二人の会話には
私の入るスキなんかない


「音色が言ったことさ
兄貴のこと・・・・・
あれほんとのこと?」




「今さらいいじゃん・・・・
聞かなかったことにしてよ。」


「兄貴なんでそんなこと
言ったんだろ?」



「あの人は素晴らしい人だからね。
暖かくて真剣で
荒んでた私を包んでくれた……」



「なんか頭いたいな
その言葉俺に対する嫌味なの?」



「だから今さらいいじゃん…
お互いに辛かったこと
ほじくり出すのやめよう……」



「辛かったよな・・・・
ホント・・・・・」



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