アイシテルって言えなくて~大人女子と高校生の恋

「なんで兄貴そんなこと言ったんだ?」


「自分がいなくなるから
心配したのよ……
だから気にしないで……」



「メグにも言ってるんだ。
音羽と音色はこれから先も
俺が支えていくからって……
メグも快くうなずいてくれたんだ。」



「ほら・・・
そういうとこが残酷なのよ。
誰だっていい気分しないよ。
あんたの優しさは……
彼女だっていい気持ちしないわ。
ほんと昔からそうだよね……
女心わかってない・・・」


音羽さんがため息をついた。


「俺がおまえを守るはずだった…
だけど俺は……
おまえが幸せじゃなかったら
俺がおまえを守りたい。」



「それって同情?
哀れみ?
そんなのいらないから・・・・」



「俺はずっと考えてる。
あの日…おまえとの待ち合わせ場所に
いかなかったのが俺にとって
正解だったのか……
若かったあの頃のように
行くあてもないのに
二人でずっと一緒にいたように
おまえを選んだらどうなってたか……」



「今さら・・・・・」



「泣いてるのか?」
甲斐の驚いた声



「泣いてないって・・・・」
音羽さんの声が震えていた。
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