アイシテルって言えなくて~大人女子と高校生の恋
「おまえが泣くの見るの
めっちゃひさしぶりだな。」


「ふざけるな。」



「兄貴の葬式の時だって
みんなのまえじゃ泣かなかった。
通夜の晩 みんなが寝静まったころ
トイレに起きたかあさんが
おまえが泣いてるの見て
驚いたって……」




「お義母さん
見てたの?…勘弁してほしいわ……」


「それくらいおまえは
泣かないよね……我慢しすぎなんだよ。
メグみたいに泣きたい時泣いて
笑いたい時笑って
女ってそういう方が可愛いよ。」



「うるさい・・・・。
あんたの可愛い彼女と比べるな。
すごい迷惑だから……
あんたの無神経さ…殺したい……」



「ごめん…ごめん…」



「ね…カッコいいこと言ったけど
もしも…私になんかあったら
私が元気だったらいいんだ……
もし音色を育てられないことが
起きたら……
音色のことお願いします……
それが怖いの……
ずっと具合悪くて…恐怖だった…
音色を一人おいて行くようなことが
あれば…あんたに頼むしかない……」


「だから俺が支えるって・・・・」



「私になんかあったら……
甘えさせて……
音色が自分で歩けるくらい
大人になるまで……」



「頑固だな・・・・」


音羽さんの泣き声が聞こえた。
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