アイシテルって言えなくて~大人女子と高校生の恋
「検査するんでしょ?
うちの両親は二人ともガンだよ…
もしも…私がそういう
病気だったら……絶対話してね。
音色に残してあげたいもの
たくさんあるから……
あんたと歌ってた歌も聞かせてやりたい
私のこと忘れない
何かを残したい……」



「あんまり考えるな。
絶対ストレスだって……
おまえは思いつめるからさ……
そんなこと考えるからだぞ…」



「累が死んだ時
急に守られていた安心感を
失ったから……
累を殺したのは私だよ………
悩ませて苦しませて……
いつも笑顔だったから…私は
甘え過ぎていた……
いつしか全部忘れてた……
累が…累が…
あんまりいい人だったから…
今思えば累がどんなに辛かったか…
やっとわかる。
そんな累に気づかずに
私は……甘えて暮らしていた……。
私は累が知ってた余命も知らずに……
何も知らずに…累をいたわることもしないで
ただいつも甘えてきたから……
私と音色をおいて行くのが
辛かったんだと思う……」



「おまえはそんな兄貴を選んだ…
それも俺と別れてすぐ・・・
前から聞きたかった
俺と付き合ってる時から
兄貴と・・・・・・・
俺を実は裏切ってたのかって……」



パシッ!!


頬打った音がした。



「累を・・・・冒涜しないで・・・
私をバカにしないで・・・・」




「・・・ごめん・・・」


 甲斐が叩かれたんだ……
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