アイシテルって言えなくて~大人女子と高校生の恋
「契約を破棄したのは
俺が恵美さんに本気になったからだよ」



「え?」



「辛かったんだ……
なんか想いが汚れてしまいそうで
このまま流されて行ったら
すぐに壊れてしまいそうだった。」



そう
あの時は私が

契約という言葉を使って
恭平に抱いてもらいたかったんだ



「それにさ
あそこで好きって言ったら
みんな嘘になりそうだったから……
家族でいた方が
俺達はきっとこうして
一緒にいられるのかなって思ったら
言えなくなった……
恵美さんは大人だから
俺には遠い存在だった。」



 嘘・・・・・



恭平の告白が私の頬を真っ赤にした。



「それで急に冷たくなったの?」



「俺はガキだから……
そうやって大人の恵美さんを
振りまわすことしか
感情のコントロールができないんだよね。
そんなことしてるちに
甲斐先生が現れて
この人にはかなわないって思い知らされた…」


恭平はそう言うと
コーヒーを一口飲んだ。


「背伸びしてブラック飲んでも
大人にはなれなかった。」



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