アイシテルって言えなくて~大人女子と高校生の恋
一人では立ってはいられなかった。

奈々さんが私を
必死に支えてくれた。


「ごめんね…奈々さんだって
悲しいのに…ごめんね……」


私は奈々さんに
うわごとのように謝る。

一人で悲劇のヒロインを演じたいわけじゃない


ただこの世で
たった一人の肉親を亡くした
孤独感と
父との楽しい思い出が
私を混乱させている。


「しっかりして。
ちゃんと恵太さんをみろ!!」

恭平の強い口調に私も
少しだけ我に返った。


棺の中の父は花に囲まれて
まるでうたた寝をしてるようだった。


奈々さんのコーディネートした
スーツ姿

仕事場のエプロンとネーム


そして
四人で撮った家族写真


「これをメグちゃんから
いれてほしいの」


奈々さんが古めかしい封筒を
私に手渡す。

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