アイシテルって言えなくて～大人女子と高校生の恋

奈々さんが眠って
私は久々に恭平とコーヒーを飲んだ。


「大丈夫か？」



「わかんない……。
まだ夢の中にいる気がするの。」



「突然だったね……」



「奈々さんもショックだろうね。」



「俺は今こうして気持ちを
隠さず出してる恵美さんより
かあさんの方が心配だよ……」



恭平の顔が曇った。



「今は恵美さんを支えなきゃって
踏ん張ってるけど……
昔さとうさんが死んだ時
かあさん自殺しようとしたんだよね。
だからさ…俺は必死で
かあさんを喜ばせようと
頑張ってきたんだ。
ああ見えても　かあさん弱いんだ。」



私はわがままに泣きわめいた



「ダメだね…私…
自分のことばっかりで……
奈々さんのことまで考えてなかった。
愛する人を失った悲しみは
私と変わらないのに……
もしかしたら私より
大きいかもしれない……
奈々さんをもっと泣かせてあげたらよかった。」



悲劇のヒロインのように
過ごしてきた自分が恥ずかしくなった。