アイシテルって言えなくて~大人女子と高校生の恋
「ここまで育ててくれたのは
一人で必死に大きくしてくれたのは
かあさんだから・・・・」



「私もパパだった。」



「一人で育てる苦労は
子どもの目から見てても
大変だった・・・・・。
せっかく幸せになったと思ったのに
俺も悔しい……
かあさんや恵美さんが悲しむように
俺だって悲しいんだよ。
ずっと…幸せに暮らせるって思ってた…」



恭平の声が震えて
嗚咽に変わった。


「恭平?」



「恵太さんと飲む酒が
楽しかった。
恵美さんの話しを聞くのが
楽しくて……
なんで…なんで…こんな……
かあさんも恵太さんも
幸せになるんだったのに………」



「きょう・・・・・」


私も悲しくなってきて
また二人で泣いた。


「恵太さん・・・・・」



今は耐えよう・・・・
父が大事にしてきた即席家族が
壊れないように・・・・・


「待っててって・・・・
もう言えないよ・・・・・。」



「うん…待ってないよ…。」


涙でぐしょぐしょの二人は最後に
悲しい握手をした。


「うちらは永遠にきょうだいだけど
気持ちはずっと…一緒だよね。」



涙の味のするキスをした。
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