年上彼氏様
うまく否定できない
違うのに、あたしが好きなのは
今目の前にいるこの人なのに
「違うってちゃんと言ってごらん?」
「だからちが、んっ」
あたしが言えないんじゃない。
わざと言わせないようにしてるんだ。
ふわふわした気持ちの中
ふと考えてみた、彼の怒った原因。
もしかして・・
首筋に埋もれた彼につい聞いてしまった。
「ヤキモチ、焼いてくれたの?」
あたしの声に彼の動きが止まる。
え?ホントに?
当たっちゃった?
「ホントに?」
「だったら?」
「えへへ~かなり嬉しいかも~」
だってそれって彼の余裕を見事にぶち壊したって
事でしょ?
知らない間に成功してたってことでしょ?
あれのどこが成功したのか分からないけど。
顔がニヤケてきて自然と彼の背中に腕を回す。
「そんなニヤてる場合じゃないだろ?」
彼がまだ不機嫌なままであたしを見つめる。