年上彼氏様
「あの」
そこまで口にした時だった。
「何してんの、ここで」
今は一番聞きたくなかった声が聞こえて、慌てて振り返る。
「な、んで?」
どうしてここに
杉田さんがいるの?
体が震える。
喉まで声が出かかってるのに、次に何を喋っていいのか分からなくなる。
「お待たせ、行こう」
成田さんがあたしの肩をすっと抱き寄せて歩き出すけどまっすぐ見つめる杉田さんの瞳のせいであたしの体は固まったままだ。
「何、どうしたの?」
「杉田さん?どうしたんですか?」