年上彼氏様
成田さんの言葉と重なって、杉田さんの横にいる女の人の声が聞こえた。
なに、その人。
一度疑問に思ってすぐに納得した。
そっか、そう、だよね。
やっぱり、他に彼女いたんだ。
そう考えたら今までの辻褄が合ったような気がして
「ごめん、行こっか」
自然と足が前に出た。
失恋したんだっていう現実が、今はまだ受け入れられない。
泣きそうだったのを必死にこらえてお店を出ようとしたその時だった。
「ちょっと来て」