年上彼氏様
強く手を握られたかと思うと急いでお店から出された。
何が起きてるのかさっぱり分からないけれど。
でもあたしの手を握って走ってるのは杉田さんで。
初めて繋いだ手の温もりに
こんな時でもドキドキしてしまう自分を呪いたい。
「どういうつもり?」
近所の小さな公園まで着くと、杉田さんはやっとあたしの手を離してくれた。
小さな街灯が小さな公園を優しく照らす。
ちょうどその下にいるからか、嫌でも杉田さんの顔が見えてしまう。
もっと暗い所がよかった。
あたし、今にも泣きそうだから。
でもそれがバレないように、何とか隠して。
あたしは普通を装った。
「どういうつもりって何が?」