携帯小説的恋
あたしは頭っから黒い大きな壁にぶち当たり、その衝撃で後ろに飛ばされる。


「キャァァ……」


間抜けな声を上げながら、後ろに倒れそうになるあたしの手を、誰かが掴んだ。

手の中から携帯がスルリと落ちる。


「アァァ……あたしの携帯……」


大げさに言えば、あたしの命より大切な携帯。
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