携帯小説的恋
「だって、順ちゃん、月人君が素直にデートに誘ったとして、素直に受けないでしょ?」

「え、あ、まぁ、そうかな」

「だから、月人君、遊園地レポート、なんてまどろっこしいこと考えたんじゃない?」

桃花ちゃんの状況分析力は、はっきり言ってあたしの数倍はある。

テストの山もいつも当たるし、

あたしが書く小説の結末だって、いつもまんまと当てられちゃう。

「でも……ハメラレタ振り、してた方がいいよ。その方がきっと面白いよ」

「そ、そうかな……」

「で、当日、

順ちゃんが反対にハメちゃえばいいんだよ」

と、嬉しそうに笑った桃花ちゃんは、彼女の考える当日の反撃計画を詳細に語り出した。
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