携帯小説的恋
そして、迎えた当日、

あたしは駅で月人君を待っていた。

五時起きして作ったお弁当。

から揚げ、厚焼き玉子、しゃけとタラコのおにぎり。

食後のフルーツにはうさぎさんカットの林檎。

桃花ちゃんのご指導宜しく、

ミニスカート。

でも、さすがに下に膝丈のスパッツを履いた。

ま、ジーンズじゃないってことで桃花ちゃん、許して下さい。

そして、少しだけ胸の開いたカットソーに、フード付きの白いレースのパーカーを羽織る。

髪は下ろして、って言われたけど、ジェットコースターも乗るし、いつもより低めの顔の横でシュシュで纏めた。

口元にグロスを塗って、目尻にホワイトパールのハイライトをちょっとのせた。

これだけでも、十分あたしらしくない。

履きなれたスニーカーだけが、

今日一日のあたしの頼れるよすが。
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