携帯小説的恋
「っと、お前な、死にてぇのか?
ぶつかったのがこの俺様だからいいようなもんの、バイクとか車だったらどうすんだよ?
グシャとかバキッとか、もう目も当てらんないぜ」

器用に、あたしを掴んだ手と反対の手で、携帯をキャッチした黒い壁が言葉を発した。

「だいたいなぁ、そんな必死こいてメール返信なんかしてんじゃねぇよ。
メル友か?
彼氏か?
即返しねぇと壊れるような仲なんかろくでもねぇぞ」

と、その言葉を発する壁はまたぞろのたもうて、掴んでいたあたしの腕を離した。
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