携帯小説的恋
「あ、うん、まぁ、そんなとこ」

月人君は、あたしの手を握ったまま、そう答えた。

「星野は?」

「あ、あたし? あたしは弟達のお守り」

「「マキ姉ちゃ~ん、ほらぁ~早くぅ~ 置いてくぞぉ~」」

少し離れた先の方に、小学生位の二人の男の子が振り返る姿が見えた。

「やんちゃな盛りで、一人じゃ不安だったから、

月人君も一緒に行ってくれたらなぁって」

「そっか、わりぃ、また今度」

――えぇ~

また今度って、月人君、今度また誘われたら行くんですかぁ~

明らかに驚いた顔のあたしをチラッと見て、

「あ、い、いいよ。彼女に悪いよ」

彼女はそう言った。
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