携帯小説的恋
『だって、友達なんでしょ。隣りの席なんでしょ。あたしなんかと、いる場合じゃないんじゃない?』

眉間に皺よせて俺に訴える順の顔を見てたら、

何とも言えない愛おしさが込み上げてきて、

思わず走り出していた。

最初に目指した<レーザーアスレチック~ファラオの罠~>。

レーザーを使ったトラップや、バランス感覚が試されるアスレチック、迷路を通って出口を目指す。

――なんだとぉ~

タイムはかってるだとぉ~

先に言えよぉ~

モニターに表示された俺の名前とタイムを眺める。

とりあえずはダントツの一位。

「月人君、目が怖いよ」

俺の隣りで順が笑っていた。
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