携帯小説的恋
「弁当なに?」

バスケットから取り出すタッパーを、月人君が覗き込んでくる。

「おにぎりと、から揚げと、厚焼き玉子……」

「全部、俺の好物じゃん!」

嬉しそうな月人君の顔を見て、引きつった。

いやいや、

桃花ちゃんの言う通り、

このメニューで月人君の心、鷲づかみですかぁ~

今からでも軌道修正、可ですかぁ?

でも……

美味しそうに、から揚げとおにぎりを交互に口に運ぶ月人君を見ながら、

――早起きした甲斐があったなぁ~

なんて思っちゃう辺り、あたしもまだまだだなぁと考える。
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