携帯小説的恋
「ほら、二人とも挨拶なさい!」

星野さんに促されて、二匹は渋々頭を垂れた。

「俺、琢磨(タクマ)」

「俺、走磨(ソウマ)」

「星野、ちょっといい? 男同士で話があるんだ」

月人君は、二人の肩をガシッと掴むと、少し離れた場所にしゃがみこんで二人に何か話をしていた。

戻って来た二人は、

「「姉ちゃん、服」」

揃って星野さんからTシャツを受取り、素直にかぶった。

「良かったぁ。ありがとう、月人君」

「いや、なに、こいつらだって、話せば分かるって、な!」

「「おう」」

ちょっと恥ずかしげに月人君を見上げた二人は、もうすっかり月人君を憧憬の眼差しで見つめていた。

月人君、何を話したの?
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