携帯小説的恋
「ほら、二人とも挨拶なさい!」

星野に促されて、二匹が渋々頭を垂れた。

「俺、琢磨」

「俺、走磨」

「星野、ちょっといい? 男同士で話があるんだ」

少し離れて、三人でしゃがみこんだ。

「お前らなぁ、姉ちゃんが何で服着せようとしてるか、ほんとのとこわかってんのか?」

「だって、暑いんだもん。服なんて着なくたって平気だよ!」

「あのなぁ、ここは家の中じゃない。

周りを見てみろ、いっぱい知らない奴らがいるだろ。

こういうところを公共の場って言うんだ。

でもってだな、こういう公共の場で、裸になったりすることは罪になる。

『公衆わいせつ罪』って、罪名までちゃんとあんだぞ」
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