携帯小説的恋
「ごめんなさい、デートの邪魔しちゃって」

すっかり落ち着いた弟二人を見て、星野が俺たちにちょこんと頭を下げた。

――そうはっきり言われてもなぁ……

「もう、殆ど食い終わったとこだったし、気にするな」

つい口にした言葉に、はっとした。

星野の視線が、シート広げられた順の手作り弁当を覗き込む。

「手作り弁当なんだぁ~

やるぅ、月人君」

星野の嬉しそうな視線が、今度は俺に向けられた。

「お、おい、星野、

お前、学校で余計なこと喋んなよ!」

俺は必死に、星野に迫った。

彼女の手作り弁当付き遊園地デート。

そんな噂が広まったら、今まで築いてきた、おれの硬派なイメージがガタ落ちじゃねぇかぁ~
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