携帯小説的恋
「腹ごなしに、お化け屋敷行くか」

俺たちは、芝生の広場を出て、ガイドマップを見ながら歩いていた。

「そうだね、ここのは全然怖くないんだって」

順がインターネットで調べてきたこの遊園地の全てのアトラクションの詳細なデータをもとに、俺たちはこの日の乗り物を吟味したわけで。

俺たちは、はっきり言って、かなりの通になっている。

「キャハハハ……」

案の定、お化け屋敷『恐怖の館』から、俺たちは笑いながら脱出した。

「次はゴーカート」

全長六百メートルの二人乗りゴーカート。

俺は、ハンドルを順に握らせた。

ま、はっきり言って俺には物足りねぇし。

でも、真剣な顔してハンドルを握って車を操作する順を見てたら、ちょっと悪戯心が頭をもたげた。
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