携帯小説的恋
◇順の想いから
あたしは緊張して、ゴーカートのハンドルを握っていた。
この車って、小さくない?
いや、隣の野獣がでかいのか……
肩も触れあんばかりに隣り合った、この状況に心臓が跳ねる。
兎に角、
前に進まなきゃ……
あたしは運転に集中していた。
とその時、あたしの目の前に覆いかぶさる真っ赤な物体。
「ほら、順、こんな風に、ジグザグやらなきゃ、面白くねぇだろ?」
その声の主は、野獣月人。
助手席から身を乗り出して、あたしのハンドルを奪った。
微かに触れ合う、指先。
間近に迫った、大きな背中。
揺さぶられる車体。
その度に触れる、月人君の身体。
嗚呼、もう駄目、呼吸が苦しい……
この車って、小さくない?
いや、隣の野獣がでかいのか……
肩も触れあんばかりに隣り合った、この状況に心臓が跳ねる。
兎に角、
前に進まなきゃ……
あたしは運転に集中していた。
とその時、あたしの目の前に覆いかぶさる真っ赤な物体。
「ほら、順、こんな風に、ジグザグやらなきゃ、面白くねぇだろ?」
その声の主は、野獣月人。
助手席から身を乗り出して、あたしのハンドルを奪った。
微かに触れ合う、指先。
間近に迫った、大きな背中。
揺さぶられる車体。
その度に触れる、月人君の身体。
嗚呼、もう駄目、呼吸が苦しい……