携帯小説的恋
「そうなんです。こちらこそ、御免なさい」

今度はあたしの方が頭を下げて、慌てて謝った。

「いいんです。

この子達は、こんなこと、しょっちゅうなんで、なんともないです」

なんだか、今度は星野さんの方が慌ててる。

「あの、改めて、

あたし佐々木順。

青陵女子の一年です」

「青陵の一年……

なんか、不思議な結びつきですね。

本山君とは何処で出会ったの?

もしかして、ナンパされたんですか?」

頬を薄っすらと赤くして、星野さんがあたしに迫ってきた。

「ナンパじゃないけど、それに近いものはあるかも……」

「えぇ~、それってどういうことぉ~

嗚呼、気になる、気になる。

佐々木さん、良かったら教えてくれませんか?」

――あんた達二人で乗り物乗ってらっしゃい!

と弟二人を追い払うと、

目を爛々と輝かした星野さんが、更に身を寄せてきた。
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